アベノミクスを無理矢理にでも評価したいひと。
2015年までは為替は120円以上あった。野田内閣解散宣言から急激に円安になって120円を突破。
— OokuboTact(中二病) (@OokuboTact) 2018年3月23日
40円以上も円安!#アベノミクス pic.twitter.com/UpdcflaaT0
などと言う者。
野田内閣解散宣言は2012年11月15日。しかし、その前から円安にふれている。
にもかかわらず、このようなことを垂れ流すのは、リーマンショック、震災、南欧の財政不安などがあったことにたいする、もはや歴史修正主義でしかない。
また、オバマ再選もあったし、日本の民主党政権を含め、各国がインフレ政策を採用し、財政健全化と成長にむけ協調することで合意していた。
2012年の為替への国際情勢の影響
FOMCによる2012年末の為替への影響。
(統計局)
高齢者の就業者数が増加。就業者H21年に悪化(麻生政権時だが単にリーマンショックの影響)。
(統計局)
円安で好景気、なら製造業が雇用を増やしてない説明は×。
(統計局)
安倍政権が脱緊縮だというのもいる。
が公共投資は多くない。
(建設ポータル)
一方、安倍政権が緊縮だという論。
「誰が政権を取っても緊縮政策にはならないよ」という状況が望まれるわけです。そうならない限り、安倍ちゃんの一強状態は続くよ(安倍ちゃんも緊縮寄りだけど、金融緩和で成功してる)。「反安倍ちゃん」の人たちこそ、金融緩和継続・脱緊縮を強く訴えるべき
— kikumaco(4/12,23ベアーズ (@kikumaco) 2018年1月15日
ニセ科学を批判しているが、ニセ経済学や、SF小説を愛好するがゆえニセ文学を肯定している不思議なひと。
いわゆるシムズ理論によって、金融緩和=インフレと財政規律を両立しようというのがアベノミクスの一なのだが。
民主党政権でも安倍政権でも海外の影響力のほうが大きいことに注意したい。無理にでもグラフを十年単位に引き延ばして「安倍政権が成功した」という短絡・嘘は危険。
緊縮財政思想が蔓延したのは財務省の洗脳教育だ!みたいな陰謀論(上掲の菊池誠のような)ではなく、冷静かつ丁寧な財政と金融政策の設計が求められる。
危険な有機農法
下水汚泥を肥料化したものは、肥料成分、特にリン酸の含有量にすぐれる。ところが、メッキ工場をはじめとする排水に重金属が含まれ、そこから取れた下水汚泥由来の肥料は、連用すると重金属の蓄積をもたらしうる。
また、クロピラリドもそうだが、牛ふん堆肥などの家畜由来の場合、その飼料の栽培や飼育環境なども適切になされていなければ意味がない。そうでないなら、重金属被害等のリスクは上昇してしまう。
それでも有機を志向するのは、自然や他者との対話のプロセスや試行錯誤など、やっていて楽しいからだと思う。その楽しさが消費者の安全・安心や科学的見地と矛盾しないことが肝要だ。
コウモリによる害虫防除
蚊を絶滅させようとする動きがある。
しかし、蚊が絶滅すると、それを捕食するコウモリにも絶滅の危機が訪れることになる。
コウモリが絶滅してもいいのでは?というむきもあるかもしれないが……
病原菌を媒介する生物の中で、人家に生息する可能性がある生き物の代表格に「ネズミ」がいますが、コウモリは進化系統的にげっ歯類であるネズミよりも私たち人間に近く、人畜共通の感染症が起こりやすいと言われています。
国外では人畜共通感染症の多くがコウモリ由来であると言われており、カワイイと言って安易に素手で触ったり飼育をすると思わぬ感染症の原因になる可能性があります。
アジアでの狂犬病の媒介者は主にイヌですが、アフリカやヨーロッパ、アメリカ大陸などでは「コウモリ」が共通してあげられるほど狂犬病を持つ生物として認知されています。
これではおそらく危険な生き物だと感じられてしまう。
まずオオコオモリがココウモリから切り離され霊長類とされた観察にもとづく分類は昔のことで今はちがう。
たしかにコウモリは狂犬病ウイルスを保有するが、あくまでも接触の濃密さにより感染リスクが生じるのであって、コウモリのリスクは著しく低い。吸血性のものも含め、コウモリと接触する機会が少ないから。
コウモリだけでなく、野生動物からは感染リスクがある。コウモリはそのかぎりにおいて狂犬病と関連づけられるのであって、ことさら危険なわけではない。
一方で、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、コウモリリッサウイルスなど、他の感染症の原因(コウモリ→ウマ→ヒトなど)となることがあるのも事実。ただし、それらの例は、急速な自然環境へのヒトの進出があり、かつ劣悪な医療・衛生環境があるような国のことであり、こんにちの日本の環境でコウモリを恐れなければならない理由では、まったくない。
むしろコウモリは害虫防除としても期待される。
鳥獣保護法があるので、コウモリを勝手に捕獲・飼育することはできない。が、勝手に棲みついてしまうなら、しょうがない。というわけで、バードハウスのような「コウモリハウス(Bat House)」というものがある。
コウモリハウスの作り方↓
大型のコウモリハウス↓
コウモリハウスの簡単な図面↓
https://web.archive.org/web/20100428140542/http://www.nara-edu.ac.jp/ECNE/bat/batbox/make.htm
天間舘神社では、トウヨウヒナコウモリのためのコウモリハウスがあり「コウモリ神社」として知られる。
コウモリによる害虫防除は、期待はされながらも、実際にはなかなか定着させるのは難しく、まったく棲みついてくれないという失敗例も多い。
ただ、野生動物も含めて持続可能な農業がなされ、安全で、環境と調和がとれ、しかも農薬のための費用と労働時間がかからない、そんな農業に近づけたら、とても良い試みになると思う。
インフレと農地拡大
安倍政権と小泉進次郎は「攻めの農業」と銘打ち、農地の大規模化のよる効率化を唱える。
他方で政府はインフレ政策をとっている。当然インフレにすれば不動産投資は拡大する。結果、農地は投資対象として売買される。なかでもその問題は、モザイク状に切り売りされることである。
そのために、農地の日照が阻害される。それは単に光合成を阻害する、というだけではない。水田において日照が阻害されるということは、土質・水質の悪化をもたらすということである。
日光があたることで田面水が温められ、蒸発・対流を引き起こす。
もし対流が生じないなら根圏への酸素供給も阻害され作物の生育を阻害することとなる。
だがそれは、不動産会社からしたら歓迎すべきものである。耕作不可能になった土地を買いやすくなるからだ。しかも安く。
農地にも日照権はある。しかし、その権利の主張は難しいようだ。
公共事業であれば補償もされるが、一般の宅地であれば、日陰補償のための調査や訴訟等にかかる費用との釣り合いがとれないことから小規模農家は泣き寝入りするしかない。
その結果、小規模農地同士の合筆はなされず、しかも劣化した土壌・水質環境のために従前より非効率化された農地になる。
ゾーニングするなどの対応がないままこれを続けるなら、それは「攻めの農業」なるものとおおいに矛盾するはずだ。
クロピラリドによる作物への被害(牛ふん堆肥施用)
飼料を経由した、牛ふん堆肥施用による作物の生育阻害の注意喚起が、2016年来、農水省よりなされています。
クロピラリドは、オーキシン作用を攪乱することで除草効果を得る除草剤です。日本未認可ですが、輸入飼料を介し牛ふん堆肥に残留することで、作物へ悪影響を与えることが懸念されています。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/clopyralid/clopyralid.html
農業はなぜ間違って語られるか?
「土」の中に出て來る人物は、最も貧しい百姓である。教育もなければ品格もなければ、たゞ土の上に生み付けられて、土と共に生長した蛆同樣に憐れな百姓の生活である。(……)彼等の下卑で、淺薄で、迷信が強くて、無邪氣で、狡猾で、無欲で、強欲で、(……)苦しい百姓生活の、最も獸類に接近した部分を、精細に直叙した
「土」に就て 漱石
http://www.aozora.gr.jp/cards/000118/files/1745_16941.html参照。
百姓を蛆と蔑み、遅れた野蛮な存在と看做す風潮は夏目漱石に限ったことではない。
農業について語られてきた多くの言説は多分に差別主義に基づいたものであった。
漱石自身が差別主義者でなかったにせよ、現代の感覚と相容れないものがそこにはある。しかし、現代の農業・農家を語る姿勢の背後に、 百年後の人びとにとっては、断じて受け入れられないような、差別的と思われるような言説が含まれてはいないだろうか?