インフレと農地拡大
安倍政権と小泉進次郎は「攻めの農業」と銘打ち、農地の大規模化のよる効率化を唱える。
他方で政府はインフレ政策をとっている。当然インフレにすれば不動産投資は拡大する。結果、農地は投資対象として売買される。なかでもその問題は、モザイク状に切り売りされることである。
そのために、農地の日照が阻害される。それは単に光合成を阻害する、というだけではない。水田において日照が阻害されるということは、土質・水質の悪化をもたらすということである。
日光があたることで田面水が温められ、蒸発・対流を引き起こす。
もし対流が生じないなら根圏への酸素供給も阻害され作物の生育を阻害することとなる。
だがそれは、不動産会社からしたら歓迎すべきものである。耕作不可能になった土地を買いやすくなるからだ。しかも安く。
農地にも日照権はある。しかし、その権利の主張は難しいようだ。
公共事業であれば補償もされるが、一般の宅地であれば、日陰補償のための調査や訴訟等にかかる費用との釣り合いがとれないことから小規模農家は泣き寝入りするしかない。
その結果、小規模農地同士の合筆はなされず、しかも劣化した土壌・水質環境のために従前より非効率化された農地になる。
ゾーニングするなどの対応がないままこれを続けるなら、それは「攻めの農業」なるものとおおいに矛盾するはずだ。